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紅の豚

何故、ジブリでもかなり好きな作品のレビュー書いてなかったんだろうか。
久々に観たので改めまして感想を書きます。

【あらすじ】
1930年代頃のイタリア・アドリア海。
主人公マルコ(通称ポルコ・ロッソ)は、かつてイタリア空軍のエースパイロットだったが
軍隊に嫌気がさし、現在は賞金稼ぎとして空賊退治を行っている。

ポルコに恨みを持つ空賊連合は、アメリカ人パイロット・カーチスを用心棒として雇い
1対1で決闘させ、ポルコは戦闘機の故障により敗北してしまい・・。















小学校くらいの頃、好きなジブリ作品を友達と話していて
誰一人「俺も好き!」と賛同してくれなかったこの作品だったが、
当時、背伸びしてこういう雰囲気の作品が好きと言っていた訳ではなく
本当にこの映画の持つ空気感、渋さに感動したのだった。
「大人」への憧れってのはこういう所から生まれるんだと思う。

主人公の容姿が豚なのに、仕草や生き様でこんなに魅力的に見えるなんて
まさに「カッコイイとは、こういうこそさ。」を身に染みて理解した。

この作品と言えば「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」が一番有名な台詞だが、
個人的にはジーナの「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」が印象的。
面倒くさい人が聞けば宮崎監督のアメリカ批判だとか言いそうだけど、
イタリア人の「恋愛」に対する奥深さを感じる良い台詞だ。

ちなみに「飛べない豚」という人が何故か多いが、劇中のセリフは上記。
「飛べない」だと家畜の豚全般を指すけど、「飛ばない」と言うのは
パイロットを辞めた時のポルコ自身を指す自虐的な台詞なのでまるで違う。

そういえばポルコが豚になった理由は、作中では詳細に語られなかったが
「自分で魔法をかけた」というまるでコブラのような話を聞いた事がある。
ジーナが「どうやったら魔法が解けるのかしら」と言っていたので
その話を聞くまではイタリア空軍に所属していた時に多くの人を殺したので
その「呪い」でなったものだと思っていたし、キスをして解けるなんて
まさに「かえるの王様」みたいな話なので外的要因だと思っていた。

本来、主人公がそれを解くために四苦八苦するようなストーリーになりそうな所を
ポルコ自身が今の容姿に不満を抱かず、しかも所作がいちいち渋いというのが
この作品の良い所なので、本来「もっとそこ詳しく描けよ」という不満が出そうなのに
視聴者も観ている内に何となく現状で納得してしまう所が凄い。


ストーリー構成は、ある種「ハウルの動く城」に近しく
結構のんびりとしているパートが多いのだが、
戦闘機決闘シーンや殴り合いなど魅せ所が明確で良い。
そして宮崎作品の特徴でもある「女性の逞しさ」が
この作品では特に色濃く出ている。

女性が活躍する作品ってのはオタク向け作品に多いが
か細い美女がバカでかい武器をぶんぶん振り回す様な逞しさではなく
老人から子供まで、「女性ならではの活力」を描けるのは
さすがは宮崎駿監督といった所だろうか。
勿論これは「男が考える女性像」なので、女性から見たらどう感じるか知らないが
よくマスメディアが唱える「理想の女性像」とはまた一つ違い、
根底としては男達を支える良妻賢母的姿勢がありながらも
しっかり「芯」を持っている女性というのがよく登場する。

ジーナと並ぶメインヒロインであるフィオも夢見がちな少女でありながら
体つきがちゃんと「働く女性」になっている所が良い。
ちなみにジブリ作品の女性ではフィオとエボシ様が好きです。
(漫画版ならクシャナ殿下も良いけど)

こういう所が、吾郎監督や米林監督に足りない所ではないだろうか。
「ジブリ」のブランドを担いで描くならば「女性の逞しさ」は欠かせない。

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